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平成23年度 社会調査協会賞 授賞式が執り行われました
 第1回社会調査協会賞(優秀研究活動賞と『社会と調査』賞)は、石田 浩委員長のほか、安立清史、小内 透、熊谷苑子、斎藤友里子、玉野和志、前田忠彦(50音順)の各委員、および表彰・助成委員会の原 純輔委員長(オブザーバー)とからなる選考委員会において、慎重な選考の結果、以下の3名の方が今年度の受賞者として決定され、授賞式が、平成23年11月13日(日)、 如水会館における「連絡責任者会議・会員集会」の席で執り行われました。

優秀研究活動賞 1名

 吉 川  徹 氏 (大阪大学大学院人間科学研究科准教授)
・主な調査研究テーマ: 計量社会意識論,学歴社会論,社会階層論

『社会と調査』賞 2名

高 畑 幸 氏 (静岡県立大学国際関係学部准教授)
「在日フィリピ ン人介護者調査」『社会と調査』第4号,2010年:26-33頁.
・主な調査研究テーマ:日本におけるフィリピン人の介護労働への参入,地域社会の多文化共生

種 田 博 之 氏 (産業医科大学医学部講師)
「分析結果を公表することの困難―「汚染された輸入非加熱製剤によるHIV感染問 題」調査を事例として」『社会と調査』第6号,2011年:5-11頁.
・主な調査研究テーマ:専門家(医師,科学者など)の規範構造

選考経過など

優秀研究活動賞については、原則として受賞年度の4月1日時点で45歳以下であること、特定の論文・著書・調査報告に限らずに研究業績の全体を評価すること、の2点を考慮しながら、社会調査協会理事の推薦のあった候補者について、その研究業績が検討されました。
 吉川氏は、大規模な社会調査データに基づく計量分析アプローチによる、社会意識や学歴と格差に関する多数の優れた研究のほか、社会調査における回収率低下に関する論考や、International Journal of Sociology誌の特集Guest Editorとしての国際的な活動など、その社会調査研究に対する多面的貢献は顕著なものがあると認められました。

『社会と調査』賞については、選考委員会が開催された直前2年間に刊行された『社会と調査』誌(2009年9月刊3号から2011年3月刊6号まで)に掲載された論文、調査報告、調査実習の事例報告等などを対象として、原則として受賞年度の4月1日時点で45歳以下であることを考慮しながら、選考が行われました。
高畑氏の受賞論文は、在日フィリピン人介護者を対象とする質問紙調査を事例として、外国人調査対象者への接近の仕方、調査方法やデータ回収の工夫など、実践的なアドバイスに富んだ論文で、社会調査の実施についてきわめて有益な材料を提供しています。
 種田氏の受賞論文は、「HIV感染問題」に関する調査の経験から、調査結果の公表に関して調査の対象となった医師の了解は得たとしても、調査事象に関わる「それ以外の当事者」(この場合には、血友病患者家族)が存在する場合には、通常の調査倫理の考え方では十分に対応できない難しさがあることを的確に明らかにしたものです。
 この2つの論文は、調査実施に関わる実践的方法と調査結果の公表という調査倫理に関わる問題という異質なテーマを扱っていますが、どちらも『社会と調査』賞にふさわしいテーマであると判断されました。