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活躍する社会調査士!

現役社会人として活躍する先輩からのメッセージです

藤田和夫さん(社会調査士)
2014年3月 関西大学総合情報学部 総合情報学科卒業
2014年4月 高槻市役所 勤務 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
準備過程の充実を図る

私が社会調査について興味をもったのは大学2年生のとき、大学の講義で社会調査について学んだことがきっかけである。関西大学総合情報学部では、高槻市との共同により、高槻市民の意識調査を行っている。私自身も本調査に参加して、自身の仮説検証の機会をいただき、調査で得られた実際のデータから分析を行った。社会調査の醍醐味は、自身の疑問に思った事象や課題について、仮説を立て、検証していく過程にあると思う。仮説を検証するためにはどういった質問項目が必要なのか、どういった質問なら回答しやすいのか、先行研究はどうなっているのか、回答者側の立場で質問を設計し、その質問から得られたデータを使って分析を行っていくという流れである。よりよい調査を行うためにはこうした準備をしっかりと行う必要があり、準備過程の充実を図ることがよりよい調査結果に繋がるということを学んだ。

大学卒業後、私は高槻市役所に勤務しており、私が所属している都市創造部下水河川企画課では下水道および河川に関する管理や運営といった事業を行っている。本市の下水道事業は下水道施設の建設・拡張の段階から改築や維持管理の段階へと突入している。今後の下水道事業の課題として、安定的な維持管理を行う必要がある。そのためには、下水道事業の一層の体質強化やマネジメントのレベルアップが必要になってくる。そこで本市では、平成28年度から下水道事業の企業会計化(複式簿記の導入)を行う予定である。企業会計を適用することで、損益計算書や貸借対照表といった民間企業が作成しているものとほぼ同様の会計書類の作成ができる。それにより下水道事業の財政状態および経営成績を明確化することが可能となり、より精度の高い中長期の経営計画を策定し、経営の効率化をめざすことが可能となる。

企業会計を適用するにあたり、どういった組織体制の下で、どういった管理・運営をするのかなど、企業会計を適用している自治体などから情報を集める必要があった。そのために、調査対象とする自治体などの選別をはじめ、アンケートやインタビューといった質問方法の使い分けや設置条例の例規や新予算編成に関わる予算科目・勘定科目等の検討、事務フローの見直しなどに関する質問の設計を行い、着実に準備を進めてきた。こうした職務において、社会調査で学んだ内容が思い起こされると同時に、日々の職務に活かされていると実感している。

よりよいものを追求するためには、準備をしっかりと行うことが基本であると同時に最も大事なことである。丹念に取り組んだことは必ずよい結果に繋がっていく。私は、これからも社会調査で学んだことを活かし、準備過程の充実を図り、日々の職務に取り組んでいきたいと思う。
(※『社会と調査』第15号(2015年9月)より転載)

活躍する社会調査士! 過去の記事(アーカイブス リスト 項目クリックで記事にジャンプします)
小久保智史さん(社会調査士)
2006年3月 東京大学 教育学部 総合教育科学科卒業
2006年4月 文部科学省勤務
2015年7月 国立教育政策研究所 教育課程研究センター学力調査課 勤務
よりよい教育施策の実現のために

社会調査との出会いは大学3年生のゼミだった。公立中学校を対象に調査を実施し、仮説設定、調査票作成・発送・回答集約、データ整理・入力、分析までの一通りのプロセスを経験するなかで、「検証すべき仮説をいかに構築し、その検証のためにどのようなデータを収集すればよいか」「得られたデータは何を示唆しているか」といった社会調査の基本的な考え方に触れたのはもちろんのこと、質問文の言葉遣いの丁寧な吟味や依頼先への丁寧な連絡が重要であることも学んだ。回答集約の際に後半が白紙の質問紙や走り書きの散見される質問紙に直面し、回答者に対する細やかな配慮の必要性を実感した記憶も甦る。

文部科学省に入省して9年、直接的に調査に携わる機会は少ないが、行政官としての様々な連絡調整や地方公共団体向けの依頼文書の作成、会議における意見の集約・分析などの日々の業務は、社会調査を通して学んだ考え方や気づきを基礎に成り立っていることを、改めて実感する。
また、省および政府全体では、全国学力・学習状況調査におけるきめ細かな分析(児童生徒の学力のみならず生活習慣や保護者の教育意識なども把握し、学力に影響を与える要因や効果的な指導方法などを分析)や、教育再生実行会議における教育投資の効果分析・教育行財政のあり方に関する検討など、実証的な分析に基づく施策の実施に向けた取り組みが進められている。

教育施策、とりわけ学校教育施策のあり方については、異なる背景に基づく多様な議論が展開される。「社会問題の解決のために教育を改革すべき」「人口減少、グローバル化社会においては○○に関する教育が必要」「教育への公財政支出を増加すべき/財政状況が厳しいなかでより効率化すべき」などといった、わが国の将来を左右する課題に関する様々な議論を集約し、学校現場に届く施策を形作っていくためには、何よりも現実、実態の把握が出発点となる。

国においては、研究者や民間調査機関による様々な調査結果を十分吟味するとともに、自らが調査を行う際は、明確な問題意識のもとに調査項目や言葉遣いにも気を配り、現実をしっかり把握できる調査設計・実施・結果分析が不可欠となる。時には、ある議論が依拠する調査結果に対し、根拠をもって反論していくことも必要だ。そのためにも、私たち行政官が社会調査に関する基礎的な知識や考え方を理解することが重要であるし、一方で、様々な調査研究が現場の実態を踏まえたより一層質の高いものとなることも期待される。

今後、社会調査を実施する立場、活用する立場の各々(私を含め)がますます力を発揮し、よりよい教育施策の実現に寄与することが求められている。
(※『社会と調査』第14号(2015年3月)より転載)

林 真広さん(専門社会調査士)
2014年3月 大阪大学大学院 人間科学研究科 博士後期課程単位取得退学
エムエスハッカーズ合同会社 代表 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
CAPIが導く社会調査の新時代
林さん

CAPI(Computer Assisted Personal Interview)をご存知だろうか。大雑把にいえば紙と鉛筆の代わりにコンピュータを用いて面接調査を行う手法である。私は大学院で計量社会学を専攻していたが、タブレットを用いたCAPIシステムを開発するために昨年起業をして今に至る。CAPIシステムは起業から約1年で一応の完成に至り、すでに実戦投入を開始している。CAPIだけではなく、調査をとりまとめるサーバープログラム、訪問管理アプリ、調査員用アプリ、調査対象者用アプリにより構成される包括的な調査統括システムを完成させており、調査の開始から終了まですべてをコンピュータだけで完結できるようになっている。しかし、調査経験者としては、やはりCAPIシステムの完成を最もエキサイティングな成果として推したい。

CAPIの特徴は数多くあるが、まず挙げられるのは、CAPIによって可能になる新たな質問形式である。画像や動画の表示はもちろんのこと、プログラムにより調査票自体に振る舞いをもたせることもできる。乱数による質問・選択肢の表示・非表示や並べ替えに始まり、心理学や経済学で行われるような複雑な実験など、その可能性は枚挙に暇がない。

しかし、CAPIは単に新たな質問形式を追加するだけのものではない。「メディアはメッセージ」という有名な言葉があるが、調査科学も、あらゆる面で紙というメディアに囚われてきたのではないだろうか。まず紙幅の制限が最初にあり、紙面の節約と可読性の兼ね合いでフォントサイズを決め、省スペース化のために質問を表組みにし、うまく収まらなかった質問は位置を変え……。これらは調査科学の本質とはいいがたい。CAPIは、このような妥協をすべて取り払ってくれるのだ。本当の意味で妥協のない調査というのは、調査を設計したことのある者にとってはまさに夢である。

このようにCAPIは多くの優れた性質をもっているが、一方でこれは単なるメディアでしかない。新しい価値を生むのは、このメディアに載る調査票であり、それにより得られるデータであり、そこから導かれる知見である。たとえCAPIを使っても、紙の時代の調査の焼き直しでは新しい価値は生まれない。必要なのは、紙の時代の常識を徹底的に疑い、より高い次元の調査手法を確立することである。これにより、調査科学は新たな時代を迎えることができるだろう。

しかし、CAPIをもってしても唯一解決できない調査の制限がある。それは予算である。この点については諸賢の努力で解決していただき、CAPI調査にチャレンジしていただきたい。
(※『社会と調査』第14号(2015年3月)より転載)

浅村直行さん(社会調査士)
2012年3月 桃山学院大学 社会学部社会学科卒業
2012年4月 金沢ケーブルテレビネット株式会社 勤務 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
社会調査から営業マンへ
浅村さん

2014年4月で社会人3年目となる私は、営業マンとして勤しんでいる。高校時代には、「心理学」に興味をもち大学に進学した。そこで出会ったのが「社会調査」であった。元々、興味のあった「心理学」ではないものの、「物事の傾向」や「関連性」を解くということは、人間の心理を知るということに近いのではないかと思い「社会調査士」に惹かれることになった。

大学を卒業し、マスコミ関係の企業に就職した。仕事を選ぶ際に一番強く思っていたことは、「自分が欲しいと思えるものを売りたい」ということだ。そういった意味では、願っていた先に就職できたのではないだろうかと今は感じている。そして、私が暮らしている石川県金沢市は、新幹線開通を2015年に控えさらなる発展が期待されている。これからも大好きな金沢を近くでみることができるということが何よりもやりがいである。

私は自ら「営業」という職種を選んだわけだが、就職して2年経った今でも「物を売る」ということの簡単な方法はわからない。営業とは、売れるか売れないかの二択でありその結果がすべてである。しかし、その結果には必ず理由があり、また、それを調べるうちに傾向がみえてくる。調べる際、いつも社会調査実習でのことを思い出す。調べるとはいえ、アンケートの分析などは行わないものの、物事と物事を関連づけて考えることができるようになったのは、大学時代の経験があるからだと思う。

私が在学していた桃山学院大学は、先輩方の調べたデータをはじめ、参考文献に関しても非常に充実したものがあった。また、大学4年のときには、ゼミの先生のご協力のもと、東京大学SSJデータアーカイブのデータも利用して卒論を執筆し、社会調査士の資格も取得するなど貴重な経験もさせていただいた。けっしてまじめではない私に熱いご指導をいただいた先生方には今でも感謝に堪えない。

元々、細かい作業が苦手だった私だが、数字から導き出された答えがみつけられたときの感動は今でも覚えている。ただし、思っていた答えが出ないということも当たり前で、それだからこそ社会調査は面白いと感じていた。営業の仕事には非常に似たところがあると思う。現在の仕事は、「社会調査」そのものを行うものではないが、「社会調査士」を取得する際に経験したことは間違いなく今の日々に生きている。今でも社会人としてけっして一人前ではない私だが、きっと「社会調査」から得たものは今後も私を成長させてくれるだろう。
(※『社会と調査』第13号(2014年9月)より転載)

山岸知弘さん(専門社会調査士)
2013年3月 関西学院大学 大学院社会学研究科 博士前期課程修了
2013年4月 大阪府庁 勤務 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
行政と社会調査
山岸さん

私は現在、大阪府庁福祉部で2年目職員として働いている。私が携わっている仕事は障がい者の就労支援だ。とくに、福祉施設で働く障がい者の工賃(賃金)向上を支援する事業に携わっている。事業を進めるにあたり、実態把握や根拠資料を揃えるために数多くのデータを扱う。また、ニーズ調査や実績調査など、調査に関わる機会が多いため、社会調査士の勉強で培った感覚はとても役立っている。今回、このような機会をいただけたので、私が思う行政の仕事と社会調査の関係について述べてみたい。

私は大学院で「専門社会調査士コース」に入学し、主に量的調査について学んだ。入学当初、社会調査の知識はほとんどなく、調査手法も分析手法もわかっていない状態だったが、1年目に学部生と共同で執筆した『マンションの社会学』で、調査設計から分析までの幅広い内容を学んだ。

社会調査を行うなかで、重要なことは大きく2つある。1つは「仮説力」である。これは調査設計から分析まで全体的に必要とされる能力だ。仮説力を一言で表現するのは難しいが、私は「仮説力とは、知識・経験・観察の総合力」だと考えている。2つめは、「データ管理」である。いくら分析力があっても正確なデータを使用していないと正しい傾向がみられないため、入力やクリーニング等は地道な作業だが重要なことである。

これらは行政の仕事でも同じく重要なことだと考える。事業組み立て時に必要になる能力はまさしく「仮説力」である。知識だけでは現場とかけ離れてしまい、経験だけでは新たな発想が出てこず、観察だけでは先を見越すことができなくなる。これら3つのバランスがとれた総合力があってこそ、より良い事業ができるのだ。

 また、3~4年で事業担当者が変わるなかで、データ管理に関する知識が職員間である程度平準化していないと、データの引継ぎがうまくいかない場合がある。その結果、せっかく実施した調査がそのままお蔵入りになり、やりっぱなしの状態になってしまう可能性がある。行政の作成する資料には根拠データが必要となるため、データの管理は重要事項なのである。

このように行政の仕事は社会調査と密接に関係しており、行政職員が調査知識を学ぶことは非常に価値があると考える。とくに地方自治体はその地域に住む人々の意見を多く聞く必要があり、その手法として調査を多用している。職員が調査技術を身につければ、より正確な住民の意見が事業に活かされ、結果的に効果的な事業となっていくのではないだろうか。

かく言う私自身まだまだ未熟者なので、調査技術を磨き、職務に活かしていけるよう、これからも日々鍛錬を行っていきたい。
(※『社会と調査』第13号(2014年9月)より転載)

岡島朝子さん(社会調査士)
2005年3月 東京都立大学人文学部社会学科卒業
2005年4月 練馬区役所 勤務 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
課題探しを繰り返す

区役所に入庁して9年。総務、国保、税収納と、3年ずつ3職場を経験してきた。3年。この期間を、私は事務改善の目標にしている。3年目で職場への恩返し。そのためには、1年目でしっかり勉強。疑問は自分のなかで課題としてとっておく。2年目で実践。3年目で事務の見直しをする。このような意識が自分に芽生えたのは、社会調査士の資格取得の過程で、「問題設定→調査設計→実施→分析→さらなる課題の発見」を繰り返してきたからだ。1週間単位のレポートから数ヵ月単位の調査、1年かけての卒論まで、「問題設定~さらなる課題の発見」のサイクルを自分に課してきた。長期目標、短期目標、今何をやるか。その繰り返しが身にしみついて、職場でも常に課題を探してしまう。課題がみつかれば、それを解決するのにも、社会調査で学んだことが活かせる。

制度改正(国保料の年金からの特別徴収開始)の主担当になったとき。最初は、何から手をつけてよいか呆然とした。が、法令の読み込みや他自治体/自区の運用の検証は、社会調査の先行研究調べのようなものだ。運用課題の洗い出しは、社会調査士資格取得の過程で学んだ、混沌とした事象から仮説を導き出し、それを文字化する作業のようだった。システム改修点検は、疑いの目をもってデータを精査する作業という点で、社会調査のデータ分析と似ている。運用の整理や研修の実施にあたっても、社会調査のために初対面の人の元へ足を運んだ経験が役立ち、人と調整する作業が苦にはならなかった。

事務改善に取り組むとき。「他部署と入力作業が重複していないか?」「事務手順を簡潔にできないか?」「自分の係の分掌事務になっているが、別の部署で行ったほうがお客様にも職員にも良いのでは?」そんな気づきがあれば、〈疑問→事務の流れを観察→部署へ聞き取り→調整検討(法令上問題があるのか、運用の問題なのか、などを仕分け)→案を文章化→関係する方々から意見を聞き、案を修正→実施〉という手順を踏む。これも、「問題設定→調査設計→実施→分析→さらなる課題の発見」という流れの応用だと思う。

社会調査士の資格取得の過程で学んだことは多いが、なかでもインパクトがあったのは、「“あたり前”を疑う」ということだった。仕事も、今ある仕事の仕方を当然だと思っていては「仕事をこなす」だけになってしまう。法令上問題がないか?より良くできないか?常に疑問をもち、また、課題解決を目標にすることで、日々の過ごし方が変わる。3年後までに見直しをするためには今の事務に精通しなければいけないし、疑問は自ら調べなくてはならない。疑って、勉強して、調べて、行動する。それを、これからも私は繰り返していきたい。
(※『社会と調査』第12号(2014年3月)より転載)

岩田香奈江さん(専門社会調査士)
2009年3月 首都大学東京大学院社会科学研究科 博士後期課程単位取得退学
一般社団法人 中央調査社調査部 勤務 ※所属は『社会と調査』掲載時のものです。
調査への情熱を伝えたい
岩田さん

はじめて社会調査というものを身近に感じたのは大学院1年目のときだった。演習形式の講義で社会調査の公開データを分析したときに感じた、分析モデルを試行錯誤して自分の知りたいことがデータから浮かび上がってきたときの面白さは今でもはっきり覚えている。その後もお世話になった先生の科研費調査をいくつかお手伝いする機会に恵まれ、調査票の作成、住民基本台帳の閲覧、対象者からの問合せの電話番、データ入力とクリーニング、分析と手作りで調査を行う楽しさと大変さを学ぶことができた。

5年前から勤務している中央調査社では、官公庁の世論調査や大学・研究機関の学術調査の調査企画と分析を担当している。担当する調査は目的も内容も方法もさまざまで日々勉強であるが、大学で学んだ知識を実践で活かすことができ「調査」を仕事にできたことを幸運に感じている。

現在の職務にあって、専門社会調査士として、社会調査がより社会に役立つ営みとして発展していくために少しでも貢献できることがないか考えてみた。昨今、学術調査であっても競争入札で実施機関が決まることが増えた。「調査」を営利目的の委託業務としてだけ捉えるのであれば、仕様書に明記されていることだけを明記されているとおりに実施すればよいことになり、手間を省いてコストを抑え利益を確保しようとすることになりがちである。しかし、それでは、とくに調査票の内容が複雑なうえ、標本の精度も求められる学術調査では質の良い調査はできない。良質な調査を実施するためには、仕様書に明記されていないことでもその調査に携わるすべての人が手を抜かず真面目に取り組む必要がある。手前味噌になるが、1票1票原票に目を通しながらのデータクリーニング、全国を代表するサンプルを短期間で住民基本台帳から抽出するシステムなど、職場の諸先輩が数十年かけて作り上げてきた調査のやり方には頭が下がることが多い。

そのなかで、大学で社会調査について学んだ自分だからこそ貢献できることがあるとすれば、調査を企画した人たちの「調査への情熱」を調査対象者や調査員に伝えることだと思っている。質問量が多く、時として答えづらい質問も含まれる学術調査で、対象者に調査に協力してもらうためには、調査の意義に共感してもらうことが必須である。その一助として、研究者の研究や調査への「情熱」をわかりやすく翻訳し対象者に伝えられればと考えている。また、調査への「情熱」を実施に関わる職員で共有することで、研究者が気づかないところでも調査の質を高める取り組みができるとも思っている。

まだまだ学ぶことばかりだが、データを分析される先生方に「良いデータだ」と感じていただける質の良い調査を積み重ねていけるよう、努めていきたいと思う。
(※『社会と調査』第12号(2014年3月)より転載)

機関誌 「社会と調査」に掲載された諸先輩一覧

社会と調査 タイトル 資格 卒業大学/
修了大学院など
掲載時の勤務先
17号 行政職に求められる視点 社会調査士 東北大学教育学部
教育科学学科
新宿区役所
17号 一人ひとりの声を「世論」に 専門社会調査士 上智大学外国語学部
ポルトガル語学科
日本リサーチセンター
16号 よりよい社会をつくるための社会調査 社会調査士 京都大学大学院
農学研究科
パシフィックコンサルタンツ
16号 ITプロジェクトで活きる社会調査の手法 専門社会調査士 奈良女子大学大学院
人間文化研究科
エル・ティー・エス
15号 準備過程の充実を図る 社会調査士 関西大学総合情報学部
総合情報学科
高槻市役所
15号 社会調査と「今」の私
-仕事と就職活動を振り返って
専門社会調査士 九州大学大学院
人間環境学府
ケンコーコム
14号 よりよい教育施策の実現のために 社会調査士 東京大学教育学部
総合教育科学科
文部科学省
14号 CAPIが導く社会調査の新時代 専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
エムエスハッカーズ
13号 社会調査から営業マンへ 社会調査士 桃山学院大学社会学部
社会学科
金沢ケーブルテレビ
ネット
13号 行政と社会調査 専門社会調査士 関西学院大学大学院
社会学研究科
大阪府庁
12号 課題探しを繰り返す 社会調査士 東京都立大学人文学部
社会学科
練馬区役所
12号 「調査への情熱」を伝えたい 専門社会調査士 首都大学東京大学院
社会科学研究科
中央調査社
11号 この国に必要な教育施策のあり方を
考えるために
社会調査士 東京大学教育学部
総合教育学科
文部科学省
11号 調査を使って社会や組織を動かす 専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
大阪経済大学
10号 “社会調査的視点”を胸に
-社会調査士から得たもの
社会調査士 立命館大学
産業社会学部
立命館大学
10号 児童福祉の現場と社会調査士の力 専門社会調査士 立命館大学大学院
社会学研究科
迦陵園
9号 学生時代にじっくり調査に取り組む
ことで学んだデータとの向き合い方
社会調査士 東京大学大学院
教育学研究科
ベネッセ
コーポレーション
9号 パネル調査の実施に携わって 専門社会調査士 早稲田大学
政治経済学部政治学科
中央調査社
8号 初心を忘れず 社会調査士 信州大学人文学部
社会学専攻
箕輪町役場
8号 インターネット調査とリサーチ・
リテラシー
専門社会調査士 信州大学大学院
人文科学研究科
信州大学
7号 社会調査士資格のための学びを
実務に生かす
社会調査士 中京大学社会学部 北陸銀行
7号 社会調査と心理学的「調査」 専門社会調査士 東京教育大学大学院 中京大学
6号 社会とかかわる魅力 社会調査士 東北大学文学部
社会学専攻
岩手日報社
6号 アンケートでもとって 専門社会調査士 岐阜大学大学院 静岡大学
5号 データの大切さ 社会調査士 九州大学文学部 日経リサーチ
5号 社会調査と社会福祉(学) 専門社会調査士 九州大学大学院
人間環境学府
長崎国際大学
4号 異なる分野でも生かせる社会調査の
経験
社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
西日本高速道路
4号 仕事の「現場」を伝えたい!
-フィールドワーカーの視点に学ぶ-
専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
西日本旅客鉄道
3号 広告も、社会調査も、仮説が大事
でした
社会調査士 成蹊大学文学部
現代社会学科
博報堂
3号 イチローも気にする視聴率というもの 専門社会調査士 東京女子大学大学院
現代文化研究科
ビデオリサーチ
2号 人や組織の意思決定に役立つ情報を
提供する仕事
社会調査士 千葉大学文学部
行動科学科
インテージ
2号 質的調査のフィールド&ワールド 専門社会調査士 東京都立大学大学院
社会科学研究科
武蔵大学
創刊号 雑誌づくりに生かす社会調査「力」 社会調査士 日本大学文理学部
社会学科
芸文社
創刊号 高等学校での調査教育の実践 専門社会調査士 関西学院大学大学院
社会学研究科
瀧川学園